ホルモン治療 基礎知識2

2022年10月15日土曜日

MTF ホルモン治療 研究成果記事

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治療を開始する上で必要となるホルモン治療調査の第二弾。
今回は治療する際の条件と特徴についてガイドラインにそってまとめていきたいと思います。ガイドラインに従って診察を行っている病院を受診される方は参考になる部分が多くあるかと思います。よろしくお願い致します。



Contents
1.ホルモン治療 概要
2.ホルモン治療 条件
3.ホルモン治療 特徴
4.  最後に

  ホルモン治療 概要

今回は以下の参考資料を基に記事をまとめております。
このガイドラインは様々な医療従事者の見解の元作成されております。


今後ホルモン治療に限らず、性別適合手術を受けられる方などにも是非1度目を通してほしい資料です。





















リンク押して即こちらに戻ってきた人。
正直に手を挙げてください。






ガイドラインとして、とても細かく記載がされておりますが、私も含め一般人が読むには少し難しい内容なのではないかと思います。

そこで、難しい部分を要約しガイドラインの要点(ホルモン治療に関する部分)を掴めるようにまとめました。




・ホルモン治療とは
ガイドラインには身体的治療に位置付けられており、MTFさんの場合は「ホルモン治療」と「性別適合手術(SRS)」が身体的治療に該当しております。

精神科分野での「ホルモン治療」は、十分な心理療法を行ったにもかかわらず、精神的苦痛が残るMTFさんに対し、ホルモン補充法を行う事とされています。
参考サイト:Wikipedia


また、治療に使用する薬剤の投与は性ホルモン減少に伴う「骨粗鬆症」などの可能性を考え、生涯にわたって継続するべきであるとされております。



ホルモン治療(以下治療と呼称)は、いくつかの条件を満たしている必要があり、次の項目でまとめていきたいと思います。






  ホルモン治療 条件

治療は誰でも気軽に始められるわけではなく(ガイドラインに従っている病院に限る)一定の条件が満たしている必要がございます。


条件は以下となります。

・重篤な疾患などが見つかっていない事
・治療内容、副作用への理解、文書での同意
・家族、配偶者への説明
・年齢
・親権者(親など)法定代理人の同意
日本精神神経学会・性同一性障害に関する委員会に提出



・重篤な疾患などが見つかっていない事
これはホルモン治療 基礎知識1のリスクでお話しました「血栓症」「肝機能障害」などが該当します。

治療には当然リスクがあり、その中には命に係わる重篤な症状も含まれております。
要約すると健康体である事が条件と言うことですね。

これらは「十分な問診」、「身体的診断」と「十分な検査」の結果から判断されます。




・治療、副作用への理解、文書での同意
これは治療を受けるMTFさん自身がその内容、生じるリスク等への理解が十分にされており、治療への合意が第三者でもわかる(文書等)でされているかが条件とされております。


こうした「医師と患者の間で十分な情報を得たうえでの合意(または否定)」を、「インフォームド・コンセント」と言います。


患者が「全てをお任せします」といって署名だけするような事態や、医療従事者が強引に誘導し合意させるといった事態に陥った場合、後々の認識齟齬から訴訟と言った問題に繋がりかねません。(お互いにしっかりと治療の方針、リスクを理解しておきましょうということですね。)




・家族、配偶者への説明
ガイドラインには以下のように記載されております。
家族、パートナーにも必要に応じて、ホルモン療法の効果と限界、起こり得る副作用について十分な説明を行うこと。

補足ですが、この項目には「必要に応じて」との記載があるため、必須ではありません。

何らかの原因で説明が難しいMTFさんでも心配不要と言うことですね。


私も事情により、家族に説明をしておりませんでこの項目を見た時は焦りました、、

パートナーに関しては察してください。




・年齢
ホルモン治療は原則18歳以上であることがございます。

しかし、特例が存在し、1年以上医療チームによる経過観察が行われ、治療が必要と認められた場合に限り、15歳以上でも治療を開始してよいとされております。


ガイドラインには第二成長期抑制治療(第二成長期が発生する前に治療を行うことで男性的特徴の変化を可能な限り抑える治療法)も記載されており、15歳以上のMTFさんが治療を検討する際には参考にしてください。




・親権者、法定代理人の同意(未成年)
これは未成年のMTFさんに該当します。
親権者が2名(父、母の場合)は両名の同意が必要となります。



日本精神神経学会・性同一性障害に関する委員会に提出
こちらは15歳以上18歳未満(成人が18歳に引き下げられたため未成年のMTFさんとなる)が該当します。
治療開始に伴い報告書を上記委員会に提出する必要がございます。

こちらは医師側で行う事かもしれませんが情報が無かったので簡単に記載しておきます。




  ホルモン治療 特徴

「ホルモン治療 基礎知識1」でお話したエストロゲンの効果と内容がかぶってしまいますが、この項目ではガイドラインから見た効果やリスクについてまとめていこうと思います。


・効果
性ホルモン(エストロゲン)の直接的な効果とアンドロゲン(男性ホルモン)減少に伴う間接的効果の2種類が起こります。

全体的な効果は以下となります。

・乳腺組織の増大
・脂肪の沈着
・体毛の減少
・精巣の萎縮
・造精機能喪失


詳しい説明は重複内容なので省きますが、直接的な効果としては脂肪の沈着や乳腺の発達により、女性のボディーライン形成を促し、間接的な効果として、睾丸の収縮や精子の量減少(または消失)と言った不可逆な変化が起こるということですね。

・リスク
ガイドラインにはリスクに関する記述が詳細に書かれており、抜粋すると以下のようなリスクがございます。

・血栓症
・狭心症
・肝機能障害
・胆石
・肝腫瘍
・下垂体腫瘍

特に私達亢進MTFさんが注意するべきリスクとして「血栓症」「肝機能障害」があげられており、血液凝固能の亢進(血液が固まりやすくなったり過度に凝固したりする病態の事を指します。)や血中プラクチン上昇などに注意する必要があるそうです。

その為、ホルモン治療を開始した後、それと並行して定期的な検査を行う必要があるのです。


その他ガイドラインに記載されたリスクの概要です。

・狭心症
心筋(心臓の筋肉)に血液を行き渡らせる冠動脈が狭くなることにより、一時的に心筋が酸素不足に陥って胸の痛みや圧迫感を引き起こす病気のことです。
参考サイト:Medical Note


・胆石
胆石は肝臓で作られる胆汁中の成分がバランスをくずすことで結晶化し、生成されます。 この胆石に細菌などの感染を併発した状態が胆嚢炎、胆管炎という病態です。
参考サイト:湘南中央病院

肝腫瘍
良性のものもありますが、悪性のものを肝癌と言います。

下垂体腫瘍
脳の腫瘍




・リスクの増加
また、リスクを増加させる持病や習慣として以下の事象が存在します。

・糖尿病
・高血圧
・血液凝固異常
・内分泌疾患
・悪性腫瘍(癌)
・肥満
・喫煙

これらはリスクを増加させる可能性があるため、治療を開始する際は効果、リスクを総合的に評価したうえで判断する必要がございます。


リスクからわかることはMTFさんは一般人よりも健康に気を使わなければならないということですね。

性ホルモンの変化に耐えうる体作りを心掛けていきましょう。(私も気を付けなければ。。)








  最後に

このガイドラインは2017年に作成されたものである為、今後改訂されるかもしれません。
ガイドラインに沿って治療を行っている病院で診察を受ける場合は大いに参考になると思います。


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以上、よろしくお願いします。


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